建設業許可・経審で有利な『建築施工管理技士』資格を取得しよう!
建設業を継続・拡大していくうえで、「資格を持った技術者の確保」は避けて通れない課題です。
建設業許可を初めて取得する際はもちろん、許可の更新・業種追加・経営事項審査(経審)・公共工事の入札など、企業として成長する各段階で資格者の有無が大きな影響を与えます。
建設業関連の資格は数多くありますが、どれを優先して育成・確保すべきかは、経営者にとって重要な判断です。
たとえば――
- これから採用する若手に、どんな資格を取らせれば良いか?
- 既存の社員を、将来の幹部候補に育てるには何が必要か?
その答えの一つとして、近年注目されているのが「建築施工管理技士」という国家資格です。
本ページでは、この資格が建設業経営にもたらす具体的なメリットと、経営戦略への活かし方についてご紹介します。
建築施工管理技士を保有するメリット
建設業を経営するうえで、「資格者の確保」は年々重要性を増しています。
中でも、建築施工管理技士は、建設業許可や経営事項審査(経審)、公共工事の受注などにおいて非常に有利となる国家資格です。
ここでは、その主なメリットを3つご紹介します。
多数業種で専任技術者になれる
建築施工管理技士の資格を持っていることで、複数の業種で「専任技術者」としての要件を満たすことが可能になります。
たとえば、1級建築施工管理技士を保有していれば、「建築一式工事」はもちろん、「大工工事」「内装仕上工事」など、関連する複数業種の技術者として登録ができます。
これは、業種追加を検討している企業にとっては大きな利点であり、資格者一人で許可の幅を広げられることは、経営上の柔軟性にもつながります。
主任技術者・監理技術者として現場配置が可能
一定の工事規模以上では、主任技術者や監理技術者の配置が義務付けられています。
建築施工管理技士の資格を保有していれば、こうした現場管理者として配置できる人材として活用することができます。
とくに公共工事では、監理技術者の要件を満たすかどうかが入札資格に直結するケースもあり、資格保有者がいるかどうかで受注の可否が決まることも少なくありません。
経営事項審査(経審)での加点効果
建築施工管理技士は、経営事項審査においても重要な役割を果たします。
具体的には、技術力評価(Z点)において加点対象となるため、技術者を複数配置することでZ点の大幅な底上げが可能です。Z点は、公共工事の入札参加資格や格付けに影響する重要な指標です。
つまり、資格者の有無が直接「受注力」に影響するということです。
このように、建築施工管理技士の資格保有者は、単なる人材ではなく、許可・入札・現場運営すべてに貢献する経営資源です。
中長期的な経営戦略の一環として、資格者の確保や育成を計画的に進めることが、今後ますます重要になっていくでしょう。
技術者の確保に悩む経営者様へ
近年、建設業界では有資格者の確保がますます難しくなってきています。
高齢化が進み、ベテラン技術者が退職していく一方、若手の採用や育成が追いつかないという声もよく耳にします。
こうした中で、「社内から資格者を育てる」という選択肢が、これまで以上に現実的かつ有効な経営施策となっています。
若手社員に資格を取らせるという選択肢
社内にいる20代?30代の社員が、建築施工管理技士の受験資格を満たすケースは少なくありません。
実務経験さえあれば、学歴に関係なくチャレンジできる制度となっているため、現場で経験を積んだ若手を資格者に育てることは、決してハードルの高いものではありません。
社員に資格を取らせることで、モチベーションの向上や定着率の改善にもつながるというメリットもあります。
採用戦略の一環としての資格取得支援
求人市場では「資格取得支援あり」「講習費用補助あり」といった制度を設けることで、求職者への訴求力が格段にアップします。
特に若手人材にとっては、「成長できる会社かどうか」が入社の決め手になる時代です。
資格取得を支援することは、人材確保の面でも他社との差別化につながり、企業ブランドの向上にも貢献します。
将来的な社内技術力強化にもつながる
有資格者の社内育成は、短期的な許可・経審対策にとどまらず、将来の管理職候補や独立支援など、中長期的な人材戦略の要にもなります。
外部から即戦力を採用するコストやリスクを考えると、自社で育てる選択は安定的かつ継続的な成長に直結します。
まとめ:建築施工管理技士は、経営戦略の一部になる
建築施工管理技士の資格取得は、単に「人が資格を取る」という話ではありません。これは、会社の「技術力」「信頼性」「事業の拡大力」を支える経営資源の一つです。
技術力 × 資格力 × 経審対策の三本柱
資格者を育成・確保することは、以下の3つの経営課題に直接的に効果を発揮します:
- 技術者配置要件への対応(主任・監理技術者)
- 経営事項審査(経審)の技術評価点アップ
- 自社の信頼性・実績としてのアピール材料
将来の許可更新や拡大に備え、今こそ人材育成を
今は問題がなくても、将来的な許可更新や業種追加、公共工事への参入を視野に入れると、有資格者の存在が事業の命運を分ける場面は必ず訪れます。
「今は必要ない」と思っていても、早めの人材育成が中長期の安定経営を支える大きな布石となるでしょう。